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Ericsson Business Networks AB

S-131 89 Stockholm,Sweden

Ericsson Business Networks AB   ストックホルム市内から車で約15分。湖に面した自然と共生する環境にあるビジネスパークの中にオフィスを構えている。

  1996年6月に現在のビルに移転。

Lecturer:Ms.Britt Ockiind
(Manager,Office Information Systems)

会社概況


オペレーション・デベロップメント部門
今回は取上げたのは、オペレーション・デベロップメント部門
 スウェーデンの通信機器メーカー、エリクソン社は、無線技術・交換機技術などによるシステムとプロダクトをもち、テレコミュニケーション分野で100ヶ国以上でビジネスを展開してい
る。

 特にアジアには力を注いでおり、最近東芝と通信システムの会社を設立している。エリクソン社は10年間携帯電話システム市場で40%のシェアを有し、エリクソン・グループな中で主にオフィスにおけるコンピュータ・ネットワーク環境の提案とデザインを担う。

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フレキシブルオフィス


270人分のデスクを325人で共有する
  • 270人分の根拠は30%は使っていないという統計と初年度は様子を見るため、数字 は多少は加減している。
     (10〜15%は秘書、総務等の固定席となってい る)
  • 4階はオフィススペース、1〜3階をチームのためのミーティングスペースとしている。
  • どのような仕事か、誰と仕事をするのかによってデスクの場所が違ってくる。    

個人に与えているもの

  • 携帯電話
  • 個人所有物を入れるためのワゴン
  • ロッカー (1800mm H×200mmW)
  • 紙メディアを収納する棚
  • パソコン
執務室の一部
執務室の一部。オレンジで囲った部分が右の写真
ワークステーション群
フロア中央にレイアウトされたワークステーション群
立って仕事
座り疲れると立って仕事をすることもある

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フレキシブルオフィス  出社したら自分専用のワゴンをラップトップPCを好きな場所に置く。

 大部屋を仕切るように配置された個人用ワゴンを格納している

 移転時に余裕をもたせて325人に対して270人のデスクを置いたが、多すぎるので実績を見て徐々に減らしていく。

 マニュアルを置く扉付きキネットと折畳み式のテーブルが機能的

 不特定名使用者を考えエルゴノミックスを配慮

 ロッカーは200W×1800Hの大きさであり、最低限の私物が入ればよいとの考え

 ミーティングできる部屋は1〜3階に集中させており、各部屋にはパソコンでネットワークできるように情報コンセントも備えてある。

 4〜5人用の小部屋と20人程度の大部屋があり、予約できる部屋と空いていればすぐに使える部屋に分かれている。
小部屋タイプ 大部屋タイプ
小部屋タイプ 大部屋タイプ

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フレキシブルオフィスは何故必要か?


  • チームによる解決にはフレキシブルオフィスが必要である。情報が大切であり、80%の情報(パワー)を20%の社員が持っている。
  • 顧客のニーズに迅速に対応できるようにする。
  • リードタイムの短縮 製品開発と市場へいち早く送り出すことが競争力を高める
  • 社員の能力を高める。
     情報技術はどんどん新しくなっていくので、お互い自己啓発している。
     スカウトされるとこれまでの知識を持った人の穴を埋めるのは難しい。
  • 必要なところに資本を投下する。
     新入社員にはまず部屋を与え、3ヶ月後にはパソコンを与える。
  • スウェーデンでは部屋を与えるだけで社員一人当たりオフィスコストが8万クローネ(120万円)かかる。
     一般的にオフィスの30%は部屋にいない、または出張中で有効に使われていない。
     しかし、部署によっても離席率は違うので一概にはいえない。
  • 新入社員はすぐに会社に溶け込ませるようにしなければいけない。
     実習期間は1年かかり、費用は100万(1,500万円)になる。
     フレキシブルな環境のオフィスは全社の15%で実施しており、そこでは見習い期間とコストは半減した。
  • 携帯電話の販売教育も9ヶ月が3ヶ月に短縮した。   

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フレキシビリティを実現する2つの方法


1.チームワークを支援するフレキシブルオフィス
  • 必要なとき適したデスクに移れる。
     2〜3人のチームであればデスクを単純に横に持って行く。隣の部署と仕事をやる場合は一番近いところのデスクに行く、またチームではそのメンバーが集まっている。
  • 海外にいる社員が来た時にはどこかのフロアのデスクまたはチームに所属していればそこにデスクがある。
  • エリクソン・ビジネス・ネットワークには15,000人の社員がおり、12,500人が海外にいる。(エリクソン・グループでは80,000人)
  • コンサルタントを雇うことが多いため、コンサルタントの近くにいる必要がある。

2.どこにいても支援できるエリクソン・ネットワークシステム

  • 出張している時にPCでコミュニケーションし、情報を得られる。5冊のバインダーを持って行くこともあるが、その情報はPCから得られる。
  • クロスボーダーシステム
     幾つかの開発チーム(イギリス1、スイス4、ドイツ1)があり、互いにロータス・ノーツで情報をやり取りしている。
  • バーチャルネットワーク(グローバルチーム)
     銀行、病院、学校など特定顧客対応のチームでは、他の地域や国でも同じ情報が活 用されることは良いことである。1week,2monthに1回情報交換するのにPCコミュニケーションは重要な役割となっている。
  • 自宅で仕事をする人でも会社にいるのと同じ情報にアクセスできる。
  • どこの国にいても社員は共通の情報を共有できる。
  • イントラネット、ロータス・ノーツなどを使ってクライアントと情報交換をしている。

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4つのサブプロジェクト


1.家具及び備品
  • 仕事によって違った職場環境づくり人間工学的に家具を考えている。個人の決まったデスクではないため、調整のできる家具もある。

2.データと電話のネットワーク

3.パソコンとアプリケーション

  • 社員の持っているPCを調査した結果、60%がラップトップを使用し、しかも会社でもそれを使いたいという意見が多かった。
     デスクトップはオフィスとホームそれぞれに、さらにラップトップが必要になるため、ひとりに一台ラップトップを与えて解決した。

4.トレーニング

  • ウィンドウズ95を使っているため、チームやプロジェクトのサポートするため、ロータス・ノーツで情報交換している。
  • これが一番重要であり、投資しても使えなければ宝の持ち腐れ!

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所 感


  • 駅でハンバーガーを買った時1個800円と聞いて、外国人にとってあらためてスウェーデンの物価の高さには驚かされたが、税金や人件費の高いスウェーデンにおいては、企業はコストを強く意識し、尚且つ国際的な価格競争にも打勝つためには情報技術の有効な活用とオフィス環境を改善しながらオフィスコストの低減に努めているように思われる。
  • 豊かな自然に囲まれたオフィスで仕事をし、残業はせずさっさと帰宅するライフスタイルはなんとも羨ましいが、冬の厳しさを忘れてはいけない。
  • 学生が就職のため企業を選択する時の評価項目のひとつは、「フレキシビリティ」とのこと。70年代、80年代のラウンドスケープ・ファッションはもう古く、これから高等教育を受けていて、30歳〜50歳であることが分かり、今後経営者が認めれば広めていくようになった。
     現在は自分がホームオフィスで働く方がいいと決めたときは、いちいちボスの許可は得ていない。家具以外についてはボスと相談して費用負担を決ている。
     まだ会社でのルール化はなく、ホームオフィスでの管理が米国と同様どうも後追いになるのではと思われる。
     また全体の15%しかLotus Notesによる情報共有できておらず、まだ横との連絡は紙を使用していることが多い点、発展途上のオフィスである。
  • スウェーデンでは女性の社会進出が高く、 Ms.Britt Ockiindも移転のプロジェクトリーダーを担い、自信を持ってフレキシブルオフィスについて説明をしていたし、良い面と悪い面、両方あったが、良い面を多くしていきたいと力強く言っていたことが印象的であった。

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