第14回(2001年)日経ニューオフィス賞
熊野町役場
“広く開かれた役場”のコンセプトどおりの開放感ある空間・建築が具現化されている。また、それを補うソフト面がバランスよく実現されている。特に職員だけでなく、町民の意見も充分吸い上げ、プランに反映させることによって、町のコミュニケーション・センターとしての機能をしっかり発揮している。派手さはないが、内容面で実に多くの意見を盛り込み、地域に密着した公共施設である。
(正面外観)
○建物は複雑な敷地形状に合わせ、3階の北棟と4階の南棟で構成し南北採光とバルコニーの設置によって省エネと窓清掃に配慮した。
○中央部の2層アトリウムは、町民を庁舎に自然に誘導するようガラスで構成。
○南棟上部には、筆の都をイメージさせる通信塔を設置し、伝統と情報の融合を図った。
○優しさを感じさせるボールト屋根、南棟には国内最大級の曲率の屋根一体型太陽電池を設置。
(町内サロン)
○町民が頻繁に利用する窓口は1階・2階に集約配置し、町民と職員のコミュニケーションを促進するよう、展望エレベーターと吹抜空間による構成とした。
○町民サロン中央部は、床暖房を設置し、将来のメンテナンスを容易にする為、木質フローリング仕上げを採用。
壁面は調湿機能を有するエコタイルを使用し、アメニティ向上を図った。
○新聞紙リサイクル材の天板を用いた円形テーブルは特注の折りたたみ形式とし、町民サロンをフレキシブルに利用できる。
(1階 執務室)
○利用者の多い1階オープンカウンターは、ハイ・ローを組み合わせた木調造作家具とし、開放性を高めた。
○各課窓際には、ミーティングコーナーを設置し、職員も気軽に意見交換を行う。
○写真左側のトレイは、書類分別リサイクル促進を目的として設置。
○分離発注の各種既製品家具は、色調の統一を行った。
(2階 執務室)
○各階・各課は係長席を廃止し、機構のフラット化を狙った。
○総合サインの他、カウンター上部の案内サインにも点字表示を取り付ける配慮を行った。
○廊下床には、エコマテリアルとしてのリノリウムを使用し、業務部門にはリサイクル材を使用した打ち合わせテーブルを設置。
○各階執務室照明は、光センサーを取り付け省エネ化を図った。