研究塾のご紹介

「バーチャルな知識創造の「場」としてのSNS」研究12回コース

■講座概要
山本 仁志
立正大学 経営学部 准教授

研究テーマ:
社会モデリング&シミュレーション、
評判システム


12回コース(7月〜3月の9ヶ月)
原則木曜日
18:30〜21:00
場所 NOPA会議室
定員 20名 (最小開講人数 10名)
受講料
  会員:\100,000 非会員:\120,000-
教材費 \10,000- (会員・非会員共通)
■目標
知識創造を誘発するバーチャルな「場」としてのソーシャルメディアのコンセプトを整理し、働く環境への応用を検討する。
■講義概要
本講義では、コミュニケーションの手段として活性化しているソーシャル・ネットワーキング・サービス(Social Network Service,SNS)を中心とした、インターネット上の、社会的ネットワークを構築できるシステム:ブログ、mixi、Twitter、Facebook、flicker等に着目し、その仕組みや活用のし方を整理・分析し、知識創造を誘発するバーチャルな「場」として、働く環境への応用について検討する。
こうしたシステムは「ソーシャルメディア」と呼ばれ、個人のコミュニケーション連鎖によって価値ある情報を発展的に生成していくことができる。更には、多数の利用者によって発信された情報を集約し分析することで、個人だけではなし得ない新たな知識である「集合知」を獲得することが可能である。
今日の企業組織にとって、その持続的な競争優位を保つには、他社とは違うこと(差別化・差異化)をやりつづけなければならず、オフィスで働くワーカーには、情報処理の効率化以上に、知識創造が求められている。企業には、知識創造の「場」としてのオフィスの戦略的活用が重要となり、そこで働くワーカーが、他者とのコミュニケーション(交流・対話、暗黙知と形式知の相互変換運動)によって、組織的に知識を創造することに注目が集まっている。コミュニケーションのフィールドを、リアルなオフィス環境、バーチャルなネット環境とした場合、SNSを中心としたバーチャルなネット環境にも、単なる情報伝達だけではなく、知識創造を誘発する効果が期待されている。知識創造が求められる組織において「集合知」を如何に獲得し活用するかは競争優位を確立するうえで必須の要件であり、そのためにはソーシャルメディアを企業内で最大限に活用することが求められる。
講義の冒頭では、SNSを中心としたソーシャルメディアの活用事例及び最新情報を解説し、バーチャルな「場」を捉える情報を共有する。
それに基づき、受講者は自らがその社会ネットワークを体験し、生きた材料として俎上にのせ、その特徴を整理し、問題点を洗い出し、働く環境への応用を検討する。
なお受講者は、9月5(月)〜7(水)に開催される「ネットワークが創発する知能研究会2011」に参加し、そこでの最新の研究発表を参考に、ソーシャルメディアをどのように自企業のオフィス環境に活かすかを検討する。
■対象者
リアルなオフィス環境の構築・バーチャルなオフィス環境の構築のみならず、モチベーションの向上や組織目標の共有促進なども含んだトータルなワークプレイス設計に関心のある人々。
知識創造(ナレッジマネジメント)施策を、IT施策とファシリティマネジメント施策を連動させることで実質的な成果に結び付けたいと考えている人々。組織の活性化を実現する手立てを模索している人々。
オフィスのサプライヤー企業に属し、先進的なオフィスの研究、企画、開発にかかわる人々。
■テキスト
配布資料を中心とし、必要に応じてWeb経由で提供する
ノートPCもしくはスマートフォンを持参ください。講義とネットを連携させます。
■日程
第1回
7月7日(木)
18:30〜21:00
1.ソーシャルメディアとはなにか
  1.1   ソーシャルメディアの歴史と俯瞰図(blog, mixi,twitterなどの機能と系譜、使われ方を概観)
  1.2   社会のインフラとしてのソーシャルメディア(災害と地域SNS、Twitterとシチズンセンサー)
  1.3   ソーシャルメディアと集合知(Amazonの推薦システム、予測市場)
第2回
7月14日(木)
18:30〜21:00
2.ネットワーク分析から見えるもの
  2.1   人と人のつながりを分析して見えるもの(ネットワーク分析)
  2.2   ネットワーク構造は何を語るか(様々なSNSの構造分析の最前線)
  2.3   コミュニティの時系列推移(繋がりはどう変化するのか:地域SNSを例として)
第3回
7月21日(木)
18:30〜21:00
3.企業とSNS
  3.1   企業内SNSの使われ方(先進事例の紹介)
  3.2   コミュニケーションの活性化とネットワーク構造(「繋がりと盛り上がり」の先に企業SNSが目指すべき方向)
  3.3   地域SNSの最前線(全国の地域SNSの特徴と構造)
第4回
8月25日(木)
18:30〜21:00
4.評判システムとネットワーク
  4.1   評判情報の果たす役割(Amazonのランキング、ヤフオクの評判)
  4.2   協調の進化を分析するフレームワーク(囚人のジレンマとオンライン取引、規範とメタ規範)
  4.3   シミュレーションによる分析(QAコミュニティ、メタ規範、オンライン市場)
第5回
9月1日(木)
18:30〜21:00
5.ソーシャルメディア研究の最前線「ネットワークが創発する知能研究会」
  5.1   「ネットワークが創発する知能研究会」とSNS
  5.2   「ネットワークが創発する知能研究会」で発表される論文の概要
第6回
9月15日(木)
18:30〜21:00
6.ソーシャルメディアの未来
  6.1   ソーシャルメディアを企業にどう活かすか
  6.2   ワークショップにむけて
【ワークショップ】第7回〜12回
第1回から第6回までの内容を踏まえ、バーチャルな知識創造の「場」として特に重要であると考えられる課題を設定した、ワークショップを継続実施します。

第7回〜12回までの内容については、第6回 6.2 ワークショップにむけて で決定します。

開催期間:10月〜3月(月1〜2回程度)開催予定です。
どなたでもお申込いただけます。 案内資料PDFデータ

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