1.調査の概要 |
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2)オフィス環境について ・自社オフィス環境全体の満足度(オフィスワーカーの回答) 図2(ワーカーの満足度:平成12年度との比較) ※画像クリックで拡大 オフィス環境全体をオフィスワーカーがどのように評価しているかをみると、満足派(「満足」+「やや満足」)が58.6%で半数を超える。昨年度と回答の選択肢の「普通」を削除したため単純に比較は難しいが、昨年度の「普通」を今年度の「やや満足」と「やや不満」とに比例案分したデータで比較すると、昨年度に比べて平成13年度は満足派が増加している。 ・オフィス環境の全体的+部分的改善予定項目(企業の回答) 図3(オフィス環境の全体的+部分的改善予定項目:企業規模別) ※画像クリックで拡大 ・オフィス環境の改善要望項目(オフィスワーカーの回答)
・オフィス環境の全体的+部分的改善予定項目(企業の回答)
オフィスワーカーの改善要望が高い厚生施設等や空調設備の項目に対し、企業が今後予定している改善項目(全体的+部分的)は、上位から「情報ネットワーク関連」、「維持・管理体制」そして「レイアウト」となっており、必ずしもオフィスワーカーの要望には沿っていない。 ・オフィス環境改善の実績(全体) 図4(オフィス環境の改善実施状況) ※画像クリックで拡大 平成8〜13年度の経年変化で比較すると平成13年度は全体的に改善(「全体的」+「部分的」改善)を実施した企業の割合が多い。 |
3)情報化の進展によるオフィス環境への影響及び問題点 ・パソコン等情報機器の普及状況(企業調査) 図5(情報機器の普及状況の経年変化) ※画像クリックで拡大 情報機器の普及度は年々高まってきており、本年度は情報機器が「1人1台またはそれ以上ある」企業が6割をこえ61.3%となった。企業規模別では、「1人1台またはそれ以上ある」企業は大企業が75.0%、中小企業が52.1%である。 ・ネットワーク化の状況(企業調査) 図6(社内ネットワーク進展状況の経年変化) ※画像クリックで拡大 ネットワーク化も年々進展しており、「殆ど全てがネットワーク化されている」企業は69.9%となり、「ネットワーク化は全くされていない」企業は4.6%にまで減少している。企業規模別にみると、大企業では「殆ど全てがネットワーク化されている」企業が82.9%と8割を超え、中小企業でも昨年度の42.6%から61.7%に増加した。 ・情報機器の普及度でみたコミュニケーション形態の変化(企業調査) 図7(情報機器の普及度でみたコミュニケーション形態の変化) ※画像クリックで拡大 図7は棒グラフが0.00の基線より上(+)であれば情報化により各項目が減少したあるいは容易になったことを示し、逆に基線より下(-)であれば増加したあるいは困難になったことを示している。最もプラスの効果が出ているのは、「情報の入手が容易になった」と「社内のプロジェクトチームやグループでの仕事がやりやすくなった」という2項目であった。情報機器が「一人に一台またはそれ以上ある」企業では、、いずれの項目も減少あるいは容易になったとする割合が、増加あるいは困難になったとする割合を上回っていた。 ・情報機器に向かって仕事をする時間(オフィスワーカー調査) 図8(情報機器に向かって仕事をする時間) ※画像クリックで拡大 1日のうち、情報機器に向かって仕事をしている時間がどれくらいの長さであるかを見ると、最も多いのは「3〜5時間程度」で33.6%である。次いで「5〜8時間程度」が25.0%、「1〜3時間程度」が19.5%となっている。過去からの調査結果の推移をみると、昨年度までは情報機器に向かう時間が年々長時間化する傾向にあり、本年度はほぼ同様の結果であった。 ・情報機器に向かう時間別疲労感(ワーカー調査) 図9(情報機器に向かう時間別疲労感:29歳以下) ※画像クリックで拡大 図9は情報機器に向かう時間と疲労度を比較したものであるが、時間が長くなるほど「常に疲労感がある」と回答するオフィスワーカーの割合が高くなり、情報化と疲労の関係が強く見られる。 ・具体的な疲労箇所 図10(性別具体的な疲労箇所) ※画像クリックで拡大 具体的にどのようなところに疲労を感じているかをみると、「目」が最も多く82.0%、次いで「肩」(65.1%)、「精神的な疲れ」(50.7%)、「腰」(31.3%)などとなっている。「目」と「肩」については女性の指摘割合が高く、「腰」については男性の方が高い。 ・疲労軽減策(ワーカー調査) 図11(性別疲労軽減策) ※画像クリックで拡大 一方ワーカーが疲労軽減のために希望している方策としては、「空調の適正化」(5.34%)、「リフレッシュスペースの設置」(49.7%)、「照度の適正化」(44.2%)などに対する回答が多かった。「空調の適正化」については男性(47.5%)に比べて女性(62.1%)が多く、全体で4番目に多かった「仕事の仕方の変更・改革」は女性(33.1%)に比べて男性(48.1%)が多い。 |
4)オフィスにおける生産性ついて ・ニューオフィスミニマムとオフィスワーカーの生産性 図12(ニューオフィスミニマム達成項目数別オフィス満足度) ※画像クリックで拡大 ニューオフィスミニマムの達成項目数とオフィス全体の評価(図12)をみると、達成項目数が多くなるほど「満足」と回答するオフィスワーカーの割合が高まっている。 図13(ニューオフィスミニマム達成項目数別生産性向上の余地) ※画像クリックで拡大 また、ニューオフィスミニマムの達成項目数と生産性向上の余地についてのオフィスワーカーの回答をみると、達成項目数の多い企業ほど「生産性の向上をはかる余地がある」とする割合が高くなっている。これは、ニューオフィスミニマムの達成状況が高まるにともなって、オフィスワーカーのオフィス環境に対する評価が高まり、仕事をする上でのモラールや活力が高まり、その結果として「生産性の向上をはかる余地がある」と感じていると思われる。その意味で、オフィス環境の改善は企業経営にとって重要であり、ニューオフィスミニマムの達成度を上げていくことが、間接的ではあるがオフィスにおける生産性の向上につながると推察される。 |
5)オフィスにおける環境問題(企業調査) ・環境問題に関する社内の指針・マニュアルの有無 図14(企業規模別環境問題に関する社内の指針・マニュアルの有無) ※画像クリックで拡大 環境問題に関する社内の指針やマニュアルの有無については、34.7%の企業が環境問題に関する指針やマニュアルを整備済みであり(前年度は27.2%)、59.0%の企業は未整備の状態にある(前年度は70.2%)と回答し、前年度に比べ若干改善してきている。 ・建物の構造や設備に関する省エネルギー・省資源志向(企業調査) 図15(企業規模別建物の構造や設備に関する省エネルギー・省資源志向) ※画像クリックで拡大 建物の構造や設備に関連して導入・採用している省エネ・省資源のための方策をみると、「照明は区画ごとにオン・オフが可能であり、不要な照明は消している」、「空調は区画ごとにオン・オフが可能であり、不要な区画の空調はとめている」の2項目が、それぞれ、62.4%、58.4%で、半数以上の企業が導入・採用している。これ以外はいずれも低い採用状況である。 ・ルールや仕組みに関する省エネルギー・省資源志向 図16(企業規模別ルールや仕組みに関する省エネルギー・省資源志向) ※画像クリックで拡大 ルールや仕組みで省エネ、省資源をはかっている具体例をみると、「コピー裏紙、両面印刷を利用している」(72.3%)、「リサイクルを効率的に進めるために進めるためのゴミの分別廃棄を実施している」(62.4%)、「プリンタトナーリサイクルを利用している」(53.8%)の3項目が、半数以上の企業で採用されている。ほとんどの項目で大企業における導入・採用割合が高いが、特に「再生紙、非木材紙を利用している」と「情報の電子化によるペーパーレス化を実施している」の2項目については、企業規模による差が大きい。 最後に今回のオフィス実態調査に際し、調査研究委員会の平手委員長をはじめ各委員の方々、アンケートにご協力賜った企業、オフィスワーカーの方々並びにご協力賜りました関係各位に深く感謝申し上げます。 |